1993年度の修士論文,卒業論文
修士論文
- 降雨場の確率的予測モデルの開発
- 洪水制御支援におけるメタ知識の構成と利用法に関する研究
- 流出系の構造的モデリングシステムの開発
- 著者
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- 要旨の要旨
- 水文モデルを作成する場合,
<要素モデル>を組み合わせて水文系全体のモデルを作成する
方法,<構造的モデル化法>が考えられる。
<構造的モデル化法>を用いると,
全体系モデルの作成作業は,既存の要素モデルにパラメータを同定した
具体的な「要素」を水文系の構造に応じて構成する<組み立て作業>となる。
さらに,流域の一部の水文特性が土地利用の変更により変化したり,
一部の水文要素に対応する新しい要素モデルが提案され,
全体系モデルを修正する必要が生じた場合でも
,全体系モデルの修正は,対応する「要素」のみを変更する<交換作業>となる。
しかし,構造的モデル化法を取り入れている既存の
モデリングシステムは,システムの自由度が低く,利用者側で
新たな要素モデルを独自に作成・追加することが困難である。
そこで本研究では,計算機のプログラミング言語の分野で提唱された
<オブジェクト指向>の概念を取り入れ,水文モデルに構造的
モデル化法を適用するための<構造的モデリングシステム>を新たに開発した。
- 水害避難行動モデルの同定とそのシステム化に関する研究
- 流域地表面における衛星搭載合成開口レーダデータの特性に関する研究
- Development of Hydrologic and Geographic Database for
Yodo River Basin
卒業論文
- 渇水時貯水池操作における意思決定基準の精度と
予測情報の精度との
相互関係分析モデルの開発
- 著者
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- 要旨
- 渇水時貯水池操作における意思決定基準の持つ曖昧性と
流入量予測情報の持つ不確実性との相互関係が意思決定機構に
及ぼす関係を分析するため,流入量予測情報の形態に応じて
貯水池操作システムを確率システムまたはファジイシステム
として捉えた場合について,ファジイ意思決定手法を
適用する貯水池操作モデルを設計する。
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リモートセンシングデータの分解能が地表面熱収支の推定値に
及ぼす
影響に関する検討
- 著者
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- 要旨
- 衛星リモートセンシングデータを用いて,
広域の陸面での熱・水フラックスを推定するための基礎的な検討として,
リモートセンシングの分解能が,純放射量・顕熱フラックス・
潜熱フラックス・地中熱フラックスの推定値に及ぼす影響を
調査し,その結果について考察する。
- 流出系の構造的モデル化法とダイナミックウェイヴモデル
- 著者
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- 要旨
- 流出モデルに流出系の構造を反映させ,複数の要素モデル
の接続で全体モデルを構成すれば,モデルの修正・作成が容易になる。
本研究では,他のモデルと通信を行ないつつ計算を進めるモデルに
対応するため,1993年に作成されたシステムを改良し,
これを検証するためダイナミックウェイヴモデルにより
洪水流を追跡する。
- 山腹斜面系2次元流出モデルの構成
- 著者
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- 要旨
- 斜面系流出モデルとして斜面を格子で覆う2次元モデルを構築する。
表面流・中間流を統合した流量流積関係式と連続式とを拡張して
山腹表層流れの2次元kinematic wave式を導き,これを差分解法で解く
計算モデルを構築する。このモデルでは各格子点に地形量・流れの定数を
与えるので,これらの空間的分布を考慮できる。
- 淀川流域における地理データ・水文データのデータベース化に
関する研究
- 著者
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- 要旨
- 淀川流域を対象とした水文モデルを開発するため,地理データ
(標高・河道網・流域界・衛星リモートセンシングデータ),
水文データ(16年間の毎時の雨量(45ヶ所)・流量(47ヶ所))の
データベース化を行ない,それにより,淀川流域内の
任意の地域の地理データの切り出しおよび水文データの検索・
抽出が可能となった。
Last Revised: 1999.3.26
(C)Hydrology and Water Resources Engineering Laboratory, Kyoto Univ.
E-mail :
wwwadmin@wr.kuciv.kyoto-u.ac.jp