淀川流域を対象とする実時間流出予測システム
淀川流域(枚方上流域、7281km2)を対象とした実時間流出予測システムを稼動させています。
(左の淀川画像をクリックすると予測表示画面に移動します。)
  1. 予測システムの構成
    佐山ら(2005)によるダム流況制御効果を取り込んだ広域分布型流出予測システムを予測エンジンとしています。予測モデルは以下の技術基盤の上に構築されています。
  2. 入力データ(現況および予測降水量) 入力データ(気象データ)
  3. 予測方法
    予測は実時間データ配信の遅れを考慮し、毎時13分頃に行われます。現在時刻を10時13分として、以下に予測値の計算例を示します。
    1. 9:00までの降水量現況データを用いた流量再現計算が終わっており、この時点での流出モデルの状態量が保存されています。
    2. 9:00のシステムの状態を初期値とし、9:00から10:00までの実況観測雨量を用いて10:00のモデル計算値を得ます。次の時刻の予測に用いるために、この時刻の状態量をファイルに記録します。
    3. 10:00から6時間先までの予測降雨を用いて、流出予測計算を実行します。
    4. 予測結果を出力します。また、PostgreSQL に予測結果をロードします。PostgreSQLに格納する情報は毎正時の値とします。
  4. 予測結果の表示
  5. 今後のシステム開発の予定
  6. 技術情報
    予測システムを動作させている計算機環境は以下です。
  7. 注意事項
    本システムは開発途上にあります。時々刻々得られる気象予測・観測データを用いて河川流量の予測計算を実施し、実時間で予測結果を見ながら、より予測精度の高い水理・水文予測モデルを開発していくことが目的です。この予測システムが出す予測結果は、予警報とは関係していません。
  8. 謝辞
    本システムを開発するに当たって、平成17, 18年度国土交通省建設技術研究助成「リアルタイム高度水防災情報提供システムに関する研究開発」、平成19, 20年度河川整備基金助成事業「高空間分解能リアルタイム洪水予測モデルへの大規模フィルタリングシステムの導入と中小河川水位予測への展開」の補助を受けました。情報ネットワーク構築に関しまして京都大学防災研究所技術室の援助を得ました。また、降雨予測情報の実時間データ処理、予測結果表示システムの開発においては(財)日本気象協会からサポートを得ました。
  9. 参考文献

予測表示画面のページ

last update June 27, 2010 YT