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京都大学 大学院 工学研究科 水文・水資源研究室などが
公開している CommonMP 対応要素モデル
2015年12月29日 |
流出計算の要素となるCommonMP要素モデルのソースコードと DLL を公開しています。
土木学会と(一社)建設コンサルタンツ協会等で協力して作成した要素モデル(2015年9月14日)
- 流出モデル(流域モデル)
- 貯留関数法 *1
- キネマティックウェーブモデル *1
- タンクモデル *2
- 単位図法 *2
- 洪水流追跡モデル(河川流モデル)
- 貯留関数法 *1
- キネマティックウェーブモデル *1
- マスキンガム法 *2
- 準2次元不等流計算モデル *1
- ダムモデル
*1) CommonMPの普及に貢献していくために、「土木学会水工学委員会水理・水文ソフトの共通基盤に関する小委員会」と「(一社)建設コンサルタンツ協会技術部会技術委員会河川計画専門委員会」が協働で、主要な要素モデルを作成し、これを公開しました。
*2) 国土交通省,河川砂防技術研究開発「粒子フィルタを用いた水位流量曲線および洪水追跡モデルの同定とリアルタイム水位予測,H25年〜H26年)の一環として要素モデルを作成し,公開しました.
- 要素モデルはCommonMPのメニューの[ヘルプ]->[ライブラリ管理]から読み込めるようになっています。ダウンロードしたZIPファイルを解凍すると、ソースコードも展開されます。
- サンプルプロジェクトは、CommonMPのメニューの[ファイル]->[プロジェクト]->[ポータブルデータ取込]から取り込むことができます。
- 要素モデル(準2次元不等流計算を除く)は日本語、英語の両方に対応しています。英語OS上のCommonMPで動作させた場合、要素モデル固有画面の文字表記も英語になるように対応した要素モデルです。
水文・水資源研究室で作成した要素モデル
- 水文・水資源研究室では、他機関で開発された要素モデルと名称が重ならないように、以下のようなルールで名称を設定しています。
- 名前空間名 : KyotoUnivEngHywr
- 要素モデルのクラス名 : 要素モデルの内容を表わす名前。 ex) KinematicWaveModel
- モデル種別名称 : 名前空間名 + . + 要素モデルクラス名。 ex) KyotoUnivEngHywr.KinematicWaveModel
- ファクトリ名称 : モデル種別名称 + .Factory。 ex) KyotoUnivEngHywr.KinematicWaveModel.Factory
- モデル名称: CommonMP の操作画面からモデル種別名称がわかるようにモデル種別名称と同じとする。
- DLL名称: モデル種別名称 + . + バージョン番号 + . dll とする。ex) KyotoUnivEngHywr.KinematicWaveModel.v13.dll
- 名前空間名には、要素モデルを開発する組織の名称として KyotoUnivEngHywr としました。
- CommonMPの構造定義ファイルには、モデル種別名称が記述され、これによって用いる要素モデルが指定されます。そのため、モデル種別名称は、名前空間名
+ . + 要素モデルクラス名としています。
注意:以下で公開する zip ファイルは、CommonMP のライブラリ入力に対応していません。ダウンロードしたファイルを展開して、所定の場所に
DLL ファイルとソースコードを置いてください。
- 線形貯水池モデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrLinearReservoirModel 2010.11.20
- 線形貯水池モデルによる洪水流追跡モデル。
- 上流から流量を受け取り、下流に流量を送信する。
- 側方流入量は考慮しない。
- 線形貯水池モデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrLinearReservoirModelwithRainInput 2011.01.08
- 線形貯水池モデルによる洪水流追跡モデル。
- 上流から流量を受け取り、下流に流量を送信する。
- 雨量による入力も受け付ける。
- 河道キネマティックウェーブモデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrSimpleRoutingModelWithKinematicWaveModel 2011.01.08
- キネマティックウェーブ法による河道流追跡モデル。
- 上流から流量を受け取り、下流に流量を送信する。
- 側方流入量は考慮しない。
- パラメータは計算区間で同じ値とする。
- 河道キネマティックウェーブモデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrRoutingModelWithKinematicWaveModel 2011.01.08
- キネマティックウェーブ法による河道流追跡モデル。
- 上流から流量、下流に流量を送信する。
- 斜面などの横流量を受け取る。
- 河道区分点ごとの形状を表す係数、粗度係数、初期流量を指定できる。
- 簡単なダムモデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrSimpleDamModel 2011.01.08
- 洪水流量と単位時間あたりの最大増加流量のみを指定する簡単なダムモデル。
- ダムモデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrDamModel 2011.01.08
- 予備放流、水位と貯留量の換算などの複雑なダム操作に対応したダムモデル。
- 使用するには洪水流量や制限水位などの情報をダム情報ファイルに記述する必要がある。
- 分布型流出モデル ver. 1.3 KyotoUnivEngHywrDistributedModelWithKinematicWave 2011.01.08
- 不飽和・飽和中間流モデル・表面流を考慮するキネマティックウェーブモデルを適用した分布型斜面流出モデル。
- 使用するには、斜面に関する情報を3つのファイルを用意する必要がある。
- 入力データとして二次元雨量情報を用いることができる。
- 使い方とサンプルデータ
- 入出力など基本的なツールのソースコードと DLL ver. 1.5 KyotoUnivEngHywrTools 2015.12.29
- KyotoUnivEngHywr.FileOutputBasic のバグ修正.2015.12.29
KyotoUnivEngHywrTools.v15.dll には以下の要素モデルすべてが含まれます。
- データ読み取り要素モデル KyotoUnivEngHywr.FileInputBasic
- KyotoUnivHydrology形式で表現された入力データを読み取り、送信する入力モデル。
- 将来時刻のデータまで送信することができる。
- データ時刻の基準となる日付を設定できる。
- 2次元データ読み取り要素モデル KyotoUnivEngHywr.FileInputMatrix
- KyotoUnivHydrologyの二次元データ形式で表現された入力データを読み取り、送信する入力モデル。
- 将来時刻のデータまで送信することができる。
- データ時刻の基準となる日付を設定できる。
- データ書き出し要素モデル KyotoUnivEngHywr.FileOutputBasic
- 受信したデータをKyotoUnivHydrology形式のファイルとして出力するモデル。
- 受信接続の全てのセル情報を出力することができる。
- データを出力する際に時間間隔を指定できる。
- データ時刻の基準となる日付を設定できる。
- 合流点モデル KyotoUnivEngHywr.JointPoint
- 受信したデータをタイムステップごとに結合し、その合計及び平均を送信する合流点モデル。
- データを集合する期間を設定できる。
- 毎秒データ、毎分データ、毎時データ、毎日データにそれぞれ対応している。
- 分流点モデル KyotoUnivEngHywr.DivisionPoint
- 受信したデータをタイムステップごとに分割する分割点モデル。
- 分割はY=AX+Bの一次式によって行われ、傾き・切片・Yの上限値をパラメタで指定する。
- [修正] Ver1.2 Dec. 20, 2010: 分流後の流量が負とならないようにした.
- 疑似流量発生モデル KyotoUnivEngHywr.GenerateData
- 模擬的な流量を生成する流量発生モデル。
- 基本流量、ピーク時流量、ピークが訪れる時刻(開始時を0とする)、係数を指定することでピークをもつ流量を作成する。
- 単位は指定していないため、雨量発生などに使用してもよい。
- データ比較モデル KyotoUnivEngHywr.CompareData
- 接続された二つの受信データをタイムステップごとに比較し、それらの差、および比を送信するモデル。
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