洪水氾濫解析・水災害リスク評価

  
 アジアモンスーンに位置する日本は洪水大国であり、洪水と戦ってきた歴史を持ちます。ただし、その戦い方は近代以前と以後で大きく異なり、洪水を「いなす」戦いからダム・河川堤防等によって「制御する」戦いへとシフトして以降、戦いを目にする機会は相対的に稀なこととなりました。しかしながら、特に2010年代以降、度重なる豪雨災害を契機としてその戦いは再び顕在化するようになっています。洪水が日常ではない現代では、日ごろ目に見えない洪水の危険を極端現象の統計解析と洪水被害の数値シミュレーションによって数値化し、備えることが重要となります。このテーマでは、豪雨の起こりやすさを「極値理論」という統計解析手法によって定量化し、様々な豪雨を想定した洪水氾濫解析を通して水災害リスクへ変換する研究を行っています。この過程で、数多くのシナリオを想定するための高速な氾濫解析スキームや数値計算アルゴリズムの開発にも取り組んでいます。

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